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2009年10月30日発行 Vol.53

 

内 容 (PDFにて全文閲覧できます。)
 
 
掲載論文: 欧州におけるメンタルヘルス対策と取り組み
- PRIMA-EF プロジェクトの成果の概要 -




 
欧州におけるメンタルヘルス対策と取り組み
- PRIMA-EF プロジェクトの成果の概要 -(PDF:548KB)
   
 

= 要 約 =
主任研究員 矢倉 尚典
研究員 川端 勇樹

   
 

T.本稿の目的と構成
米国においては、メンタルヘルスが企業活動にとって大きな課題であるとの認識から対策が実行されている。欧州においてもEU(欧州連合)ベースでメンタルヘルス対策が取り組まれている。本稿では、職業性ストレス等の心理社会的リスクに関するEU ベースの取り組みであるPsychosocial Risk Management - European Framework(以下、「PRIMA-EF」とする。)のプロジェクトの背景および成果の概要を紹介する。第U章では、欧州における心理社会的リスクの発現状況、心理社会的リスクのマネジメントに関する基準・協定、心理社会的リスクに対する認識に関する調査結果について紹介する。第V章では、まず、PRIMA-EF プロジェクト設置の背景・経緯、プロジェクトの構成と活動計画を概観する。 その上で、プロジェクトの成果として提示されたPRIMA-EF モデル、仕事関連の心理社会的リスクのモニタリングのために策定された諸指標、CSR と心理社会的リスクのマネジメントの関連に関する考察とその成果について紹介する。第W章では、今後検討すべき課題とされた事項を概観する。

U.背景
EU においても、心理社会的リスクは労働安全衛生上企業活動に与える影響が大きいと考えられている。2004 年以前のEU の加盟国15 カ国における職業性ストレスに起因する年間の経済的コストは推計200 億ユーロであり、他人から暴力の脅威にあった経験のある従業員は労働人口の4%、職場でいじめやハラスメントにあった経験のある従業員は同5%であるとされている。さらに、心理的社会的リスクは経済的なコストの問題に止まらず、労働安全衛生上、より広い観点では公衆衛生上の主要な課題となっている。こうした心理社会的リスクに対するマネジメントに関する欧州の基準としては、EU 理事会指令、欧州委員会指針、ソーシャルパートナーの枠組み協定などがあげられるが、国および利害関係者間で、心理社会的リスクの認識の程度に差が存在している状況である。

V.PRIMA-EF プロジェクトの概要
PRIMA-EF プロジェクトは、WHO を中心とするいくつかの国の関係機関の連携で設置されたPRIMA-EF コンソーシャムがEU 域内の国および企業レベルでの心理社会的リスクのマネジメントに対する政策・実践に対する枠組みを提供することを目的として、2007 年1 月に開始したプロジェクトである。プロジェクトの成果として心理社会的リスクのマネジメントの枠組みであるPRIMA-EF モデル、マネジメントのための諸指標が提示された。また、企業レベルの心理社会的リスクのマネジメントとCSR との関係についても検討され、その関連指標についても提示されている。その他の成果物として、ガイダンスシート、ベストプラクティスのインベントリーなどがあり、公式サイトで公開されている。

W.今後の課題
PRIMA-EF プロジェクトでは、心理社会的リスクに関して利害関係者が理解を進めるための共通の土台を提示することができたものの、普及を促進するためのツールの提供や、普及に向けた戦略的な取り組みの更なる実施が必要とされている。プロジェクトの最終報告書では、今後検討すべき課題として、適切な社会基盤および支援の構築(キャパシティの確立)、トレーニング、認識の向上(企業レベルで活用できるツールの開発)等の6 項目が挙げられている。

   
 

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