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2007年12月31日発行 Vol.49

 

内 容 (PDFにて全文閲覧できます。)
 
  掲載論文:
 
1. 米国におけるメンタルヘルス分野のヘルスサポートの取り組み
2. 米国損害保険市場の最新動向 - 2006 年の実績とトレンド-




 
米国におけるメンタルヘルス分野のヘルスサポートの取り組み(PDF:1.17MB)
   
 

= 要 約 =
主任研究員 矢倉 尚典
研究員 川端 勇樹

   
 

T.はじめに
精神疾患は生産性への影響が格段に大きいことが特徴である。本稿では、患者の自己管理サポートの取り組みに加え、発症予防、職場復帰・再発予防の取り組みにも視野を拡げ、米国におけるメンタルヘルス分野のヘルスサポートの取り組みを取り上げる。

U.沿革
1940 年代初頭、従業員のアルコール問題と生産性に焦点を当てて、Employee Assistance Programが登場した。1980 年代以降、医療費の高騰を受け、マネージド・ケア型の取り組みがManaged Behavioral Healthcare Organization により展開された。こうした動きの一方、メンタルヘルスケア・サービス・システムの問題点やギャップも認識され、それらを改善するため、2005 年、連邦政府はサービス・システム変革に向けた工程表を明らかにし、変革を進めている。

V.現状
米国成人のうち、1年間に1回以上大うつ病エピソードを経験するものは1,580 万人、成人人口の7.2%と推計されている。職場における就業障害の発生に関し、うつ病は腰痛に続く第2 位の原因となっており、医療費・薬剤費に比べ生産性低下のコストが格段に大きいことが研究で示されている。精神疾患の治療手順は確立されているが、治療やカウンセリングのニーズが満たされていない人が1,000 万人以上存在すると推計されている。また、抑うつ障害が慢性疾患の発症を促進したり、慢性疾患がうつ病の症状を悪化させる相互関連に関して多くの研究がなされている。

W.課題
米国企業(雇用主)の60%が従業員に健康保険給付を提供しており、そのうち97%がメンタルヘルスケアを給付の対象としている。しかし、メンタルヘルスケアの給付に対しては、身体の健康に関する給付よりも制限が課されているため、適切な治療へのアクセスや提供されるケアの質が懸念されている。多くの企業(雇用主)がこうした課題を解決すべく各種の取り組みを行っている。事例として、米国の企業(雇用主)団体が2007 年に表彰した取り組みを5 例取り上げる。この5 例には、ディジーズ・マネジメント、EAP、職場復帰支援、健康調査問診による早期介入、ストレス教育の取り組みが含まれる。

X.まとめ
職域におけるメンタルヘルス分野の取り組みでは、生産性の問題が強く意識されている。その結果、治療中の患者の自己管理サポートに加えて、発症を予防する(一次予防)の取り組み、発症して休職が発生した後の職場復帰・再発予防(三次予防)の取り組みにも注力されている。発症予防から職場復帰・再発予防に至る取り組みは相互に関連するものである。各取り組みを有効に機能させるために、一連の取り組みを有機的に結びついた一貫性のあるものとして着実に実施する努力が払われている。

   
   
米国損害保険市場の最新動向 - 2006 年の実績とトレンド- (PDF:553KB)
   
   
 

= 要 約 =
主任研究員 岡ア 康雄

   
  T.本稿の狙いと構成
本稿では、米国損害保険市場の概況とトレンドを2006 年のデータに基づいて整理する。また、トピックとして運用戦略を取り上げる。

U.米国損害保険市場の動向
保険料の伸びは鈍化したが、異常災害損害が小さかったことからコンバインド・レシオは91.8 に改善した。運用収益も好調であったことから、ROE は13.5%に上昇した。

V.主要種目の成績概況
個人保険分野においては、個人自動車保険のコンバインド・レシオが悪化してきている。その原因は、医療費の上昇加速に牽引された対人賠償金額の高騰である。企業保険分野では、低水準の支払保険金に助けられて、コンバインド・レシオは90.5 に改善した。過年度に保守的な見積もりに基づいて繰り入れられた支払備金からの戻し入れによる事後的なコンバインド・レシオの改善は、企業分野では残っているが、個人自動車保険ではかなり小さくなっている。

W.運用戦略
運用資産上位10 社の資産クラス配分を示す。また、運用戦略の枠組みとして、「支払備金ポートフォリオ」と「契約者剰余金ポートフォリオ」に仮想的に分けて検討する考え方を紹介する。

X.おわりに
現在の米国損害保険業界は、1990 年代とは打って変わって高い収益を上げている。その背景として、技術進歩によって収支管理が精緻化され、過当競争が回避されるようになってきたとの見方が出されている。高収益を背景に広告活動の強化による新規契約獲得競争が行われている。
今後考えられる収益悪化の要因としては、ハリケーン損害の増加・大規模化の可能性がある。
2007 年にはサブプライム危機が生じたが、米国の損保会社の保守的なバランスシートへの影響は限定的であった。

 

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