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2005年12月30日発行 Vol.45

 

内 容 (PDFにて全文閲覧できます。)
 
  掲載論文:
 
1. 米国損害保険市場の最新動向−2004 年の実績とトレンド−
2. 米国における健康保険市場と保険会社のヘルスケア事業
−2004 年を中心とする概況および職域市場・HIPAA・メディケアをめぐる最近の動き−




 
米国損害保険市場の最新動向−2004 年の実績とトレンド−(PDF:468KB)
   
 

= 要 約 =
研究員 岡ア 康雄

   
 

T.本稿の狙いと構成
 本稿では、米国損害保険市場の概況とトレンド変化を2004 年のデータに基づいて整理する。また、新たなトピックとして、@米国損害保険市場の構造分析、A保険会社の企業価値評価、B独立代理店のM&Aと企業価値評価、の3 点を取り上げる

U.米国損害保険市場の動向
 保険料の伸びは鈍化したが、コンバインド・レシオは97.6 に低下した。運用収益は長期トレンドを下回 るもののまずまずの結果であったことから、ROE は10.5%に上昇し、17 年ぶりに資本コストを上回った。

V.米国損害保険市場の構造
 個人保険市場では大手社のシェアが増加傾向にあり、また、相互会社が高いシェアを占める。株式会社とは異なる営業上および財務面の目標を持つ相互会社の成長戦略が、個人保険市場において保険会社の収益性の引き下げ要因となる可能性がある。

W.主要種目の成績概況
 個人分野においては、特にホームオーナーズ保険のコンバインド・レシオが改善してきている。企業保険分野では、アスベスト訴訟は依然として高水準であるが、支払備金不足への対応は終わりつつある。料率は下降局面に入りつつあるが、契約条件の緩和はまだ一般化していない。

X.保険会社の企業価値評価とマクロ要因
 保険会社の企業価値を評価する一つの方法である株式評価においては、PER やPBR が重視される。PBRを上昇させる要因の中では、保険引受収益が安定して高いことが特に重視される。また、将来の期待ROEが高ければ、PBR も上昇すると考えられている。保険会社の企業価値に影響を与えるマクロ要因の中で現在懸念されるのは、ハリケーンの増加と建築費の上昇傾向である。金利の上昇が保険会社の企業価値評価を低下させるのではないかとの懸念が市場にあるが、その影響は小さいと考えられる。

Y.販売チャネルの動向
 保険会社間の競争、チャネル間の熾烈な闘いが繰り広げられる中、保険会社のチャネル戦略およびチャネル内部の双方において変化が生じている。独立代理店のM&A が続いており、保険販売事業の強化を狙う銀行が主要な買い手となっている。独立代理店の企業価値評価においては、収益指標の一つであるEBITDA が重視されている。

Z.おわりに
 今後も損害保険会社による、より緻密なアンダーライティング再保険プログラムを含む巨大災害リスクマネジメントの取り組みが続けられるであろう。

   
   
米国における健康保険市場と保険会社のヘルスケア事業
−2004 年を中心とする概況および職域市場・HIPAA・メディケアをめぐる最近の動き−(PDF:690KB)
   
   
 

= 要 約 =
主任研究員 矢倉 尚典
研究員 田中 健司

   
 

T .はじめに
 本稿は、本誌42 号のレポート「米国における健康保険市場と保険会社のヘルスケア事業−2001 年を中心とする動向および公的保険制度における保険会社の関わり−」の続編として、2004 年を基準点とした米国の健康保険市場の動向と民間保険会社のヘルスケア事業について、保険会社、ブローカー、職域の給付管理責任者、医療プロバイダー、コンサルティング会社への現地調査の結果も踏まえて分析を行ったものである。

U.健康保険市場の概況
 2004 年においては、営利保険会社の収入保険料の増加率が支払保険金の増加率を上回ったため、損害率、事業費率とも改善したが、保険料の伸びが今後も持続可能かについては疑問視されている。
 米国において健康保険市場の中心となっている、民間の職域市場における健康保険料の伸び率は、2005年はやや鈍化したものの、未だ一般インフレ率を大きく上回っている。
 公的保険制度適用対象者のセグメントについて見ると、メディケア適用対象者のセグメントにおいて2003 年のメディケア近代化法の成立により新しい事業機会が実現し、新規参入による競争が促進されると考えられている。一方、メディケイド適用対象者セグメントにおいては、将来の収益性が疑問視されている。

V.職域向け健康保険市場における新しい動き
 米国カリフォルニア大学が提供している福利厚生パッケージを事例として取り上げる。同大学では多くの健康保険プランを用意し、職員が各自のニーズ・好みに合わせて選択できるようになっている。
 全米約2,000 社の企業に対する聞き取り調査の結果によれば、従業員規模が大きいほど、複数プランを用意している企業の割合が高くなっている。また、医療コスト抑制策の効果に関して、61% がConsumer-Driven Health Plans の導入が「大変効果的」あるいは「ある程度効果的」であると考えている。Consumer-Driven Health Plans では、従業員が、医療プロバイダーや加入する健康保険プランを自ら選択し、給付設計も自ら行うとともに、金銭面のリスクも従業員自身が相当程度負担する。

W . 民間保険市場に強い影響を与えるヘルスケア市場の動き
 2003 年の米国医療コストは、2002 年より1,199 億ドル増え、1 兆6,789 億ドルとなっている。1992 年に比べ、約2 倍の水準となっている。しかし、対前年増加率は2002 年の9.3%から2003 年は7.7%と鈍化した。
 1996 年に成立した健康保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)の下で、各種の関連ルールが定められるとともに、遵守期限も設定された。HIPAA 適用対象は、これらのルールの遵守のため、種々の対応を行ってきた。現地調査結果に基づき、HIPAA コンプライアンスの取組事例を紹介する。
 2003 年に成立したメディケア近代化法には、メディケアへの処方箋薬剤給付の導入をはじめとする種々の改革が盛り込まれている。

   
   
 

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