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2005年3月30日発行 Vol.44

 

内 容 (PDFにて全文閲覧できます。)
 
  掲載論文:
 
1. 先進国における金融・保険業に関する資本要件規制の変化の方向性
2. 米国ヘルスケア市場におけるeHealthの動向




 
先進国における金融・保険業に関する資本要件規制の変化の方向性 (PDF:1,154KB)
   
 

= 要 約 =
主任研究員 牛窪 賢一
研究員 岡ア 康雄
研究員 赤松 繁

   
 

T.本稿の狙いと構成
本稿では、国際的に進展している金融サービス業に関する規制・監督の潮流の中で生じている大きな変化を視野に入れながら、保険業(特に損害保険業)に関する資本要件規制を巡る動向について、先進国においてどのような変化が生じており、どのような方向に進もうとしているのか検討を試みた。

U.分析の視点
本章では、第V章と第W章における分析・概観の際の視点を示す。まず金融サービス業に関する資本要件規制の意義について確認した上で、銀行、証券、保険 の業態による資本要件規制には違いがあり、これは各業態における事業の特性を反映したものであることを概観する。さらに、資本要件規制と企業価値評価との関係について考察する。企業価値評価を取り上げる理由は、規制の枠組みにおいて市場(投資家)が果たす役割が以前よりも大きくなってきており、投資家の最大の関心事である企業価値評価との関係について理解しておく必要があるからである。

V.国際機関の動向
金融・保険業の資本要件規制に関し、国際機関はその影響力が大きく、検討の蓄積も多い。本章では、銀行業における BIS自己資本比率規制の改革、保険業の資本要件規制に関する IAIS (保険監督者国際機構)と IAA(国際アクチュアリー会)の動向、保険会計に関する IASB(国際会計基準審議会)の動向、およびジョイント・フォーラムの動向について概観する。保険業の資本要件規制についても、銀行業における新 BIS 規制の3つの柱アプローチが重要視される流れとなっている。

W.欧米およびわが国の動向
本章では、EU、英国、米国、およびわが国における保険業の資本要件規制を巡る動向について概観する。 EUでは、リスクベース資本および新BIS規制の3つの柱アプローチを採用する方向で検討が進められている。英国は、EU加盟国の一つであるが、EUによる検討よりも先行して見直しを進めようとしており、本稿ではEUと区別して取り上げる。米国では、現行の財務比率のモニタリングやリスクベース資本規制に加えて、保険会社の内部リスク管理モデルを活用した新たなアプローチの検討が進められている。 わが国では、1996年に米国にならい、リスクベース資本の性格を持つソルベンシー・マージン基準が導入された。その後も、保険会社の破綻の経験や、金融の国際化、構造変化への対応といった観点から、資本要件規制の見直しが順次進められている。

X.国際的な変化における3つの方向性
以上の概観から、資本要件規制を巡る国際的な変化について次のような 3 つの方向性が観察された。 @ 資本要件規制はリスクを軸に進化している。 A 銀行業の BIS 規制見直しの考え方が保険業の資本要件規制の改革においても検討される流れとなっている。 B 従来、金融サービス事業者が保有すべき資本水準に関して規制・監督当局と市場には対立・矛盾があると考えられてきたが、この両者が将来的には一定の幅の中に収斂していく方向性がみられる。

   
   
米国ヘルスケア市場におけるeHealthの動向(PDF:687KB)
   
   
 

= 要 約 =
研究員 田中 健司

   
 

T .はじめに
本稿では、米国におけるeHealthの最近の動向に関する具体的事例を、現地調査を踏まえて紹介する。特に、米国ヘルスケア市場においてeHealthに対する様々な見方が存在することを念頭に置き、昨今のeHealthの位置づけを見るべく、「eHealthのブームは終わったのか?市場は完全に成熟したのか?」「米国ヘルスケア市場におけるeHealthの位置づけはどのように変化したか?」「eHealth はいかなる問題を解決してきたか?」「eHealth におけるギャップの問題(「eHealthの提供者は、できるだけ多くの人に eHealthのサービスを利用して欲しいと考えているが、実際に多くの人が利用しているわけではない」という問題)があるのではないか? そのギャップは克服されるのか?」という4つの問題を提起し、これらの問題に対する現地調査先の見方を整理する。

U.米国ヘルスケア市場とeHealth
本章では、米国における eHealthの動向について取り上げる前提として、米国における健康保険、ヘルスケア、ヘルスケア市場、医療プロバイダーおよびヘルスプランの概念について整理した上で、eHealthの定義および当事者について概観する。

V.米国におけるeHealthの提供者の具体的事例
本章では、eHealthの提供者の具体的事例として7例を紹介する。第T章で提起した問題については、各現地調査先がeHealthの提供を通じて何を解決しようとし、またギャップの問題にどう対応しているかを中心に取り上げることとし、それぞれの事例を、提供するeHealthの具体的内容、提供するeHealthに対する見方、ギャップの問題への対応の3項目に分けて紹介する。

W . 提起した問題に対する見方の整理
ブームの状況や市場の成熟度に関しては様々な見方があるが、 eHealth自体が1つの新しいビジネスとして注目されていた時期は過ぎている。eHealthによって解決された問題として、 コミュニケーションの改善、正確な情報の提供による患者の判断力の向上、医療プロバイダーの業務におけるミスの軽減・効率化が指摘されている。また、eHealthの提供者は、 ギャップの存在、克服の重要性を認識している一方、インターネットを使えない人・使いたくない人にはインターネットを無理強いしないとのスタンスが顕著である。

X .おわりに
米国における今後のeHealthの利用促進に向けた課題については、様々な指摘がある。また、eHealthが1つの独立したビジネスではなく、ヘルスケアビジネスを効率的に運営するための1つの手段として位置づけられるようになっていることがわかる。

   
   
 

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